みなさんこんにちは!
ブリリアント更新担当の中西です。
~体質?!~
ということで、お酒の強さにまつわる体質の正体について、科学・医学・文化の3つの視点から深く掘り下げて解説します。
遺伝・酵素・文化で読み解く「飲める人・飲めない人」の真実
「私はお酒に弱くて…」
「この人、いくら飲んでも全然酔わないね」
飲み会や宴会の場では、こうしたやり取りがよく見られます。
実は、お酒への強さ・弱さは“体質”によって大きく左右されることが、医学的にも明らかになっています。そしてその体質は、生まれ持った遺伝子レベルの違いでほぼ決まってしまうのです。
🧬 お酒に強い・弱いは「遺伝子」でほぼ決まっている
◯ 鍵を握る酵素「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2型)」
アルコールが体内に入ると、肝臓で次のように分解されます
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エタノール(アルコール) →
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アセトアルデヒド(強い毒性・二日酔いの元) →
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酢酸(無害) → 水と二酸化炭素へ
この「アセトアルデヒド」を無毒化する役割を果たすのが、ALDH2酵素です。
しかし、このALDH2には次のような遺伝的な“強さのバリエーション”があります
日本人の約40〜45%は「低活性型(AG)」、約7〜10%は「不活性型(GG)」にあたります。
つまり、日本人の半分以上は“体質的にお酒に弱い”可能性があるのです。
🌏 お酒の強さは「国民性・民族」にも関係している?
ALDH2の活性型・不活性型の比率は、人種や民族によって異なります。
◯ 主な民族別のALDH2分布(推定)
つまり、日本人にとって「酒に弱い」は恥でも異常でもなく、むしろ一般的な体質と言えるのです。
📌 補足:琉球(沖縄)や北海道の一部では活性型が多い傾向もあります。これは遺伝的な混血や地域性によると考えられています。
🤒 お酒に弱い人が無理して飲むと危険!
◯ アルハラ(アルコール・ハラスメント)は命に関わる
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アセトアルデヒドが分解されず、顔面紅潮・吐き気・動悸・低血圧などが起こる
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酔っていなくても、アルコール代謝障害により急性アルコール中毒のリスクが高まる
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毎日少量でも、「お酒に弱い人」が無理に飲み続けると食道がん・口腔がんのリスクが約6〜10倍になるという研究もあります(国立がん研究センター)
◯ 自分の体質を正しく知ることが重要!
最近では、唾液や口腔内の細胞を使った遺伝子検査キットも市販されています(例:ALDH2簡易検査)
→ 自分のタイプ(AA / AG / GG)を知ることで、無理な飲酒を防ぐことができます。
💡 お酒に弱くても“楽しめる”方法はある?
お酒に弱い人でも、工夫次第でお酒の席を楽しむことは十分に可能です。
✅ 低アルコールの飲み物を選ぶ
✅ 飲み方を変える
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空腹で飲まない
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チェイサー(お水)をしっかり飲む
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体調が悪い日は無理せず断る
✅ 「飲まなくても楽しい」を認め合う文化へ
✅ 「お酒の強さ」は才能じゃない。遺伝と体の個性
あなたが「お酒に強い」か「弱い」かは、生まれ持った体質=ALDH2の働きによってほぼ決まります。
無理をして飲んでも、お酒に強くなるわけではありませんし、むしろ健康リスクが高まるだけです。
🍷 最後に伝えたいこと
お酒は「飲める・飲めない」で優劣を決めるものではなく、人それぞれの体質に合わせて無理なく楽しむもの。
自分の体質を知り、周囲にもそれを尊重してもらえる社会を、私たち自身が作っていきましょう。
